鑑定書・鑑別書について
こんにちは。小六堂のMです。
宝石店で商品を見ていたり購入をした際の説明や、小六堂のレアストーンの説明文にもありますが「ソーティング」「鑑定書」「鑑別書」という言葉を聞く機会がありますね。
これらは各店舗等が発行する「保証書」とは異なります。
これらの違いとは何でしょう?
まず、これらは鑑別機関が証明、発行をします。
鑑定士(ここではグレーダーと呼びます)が決められた項目を肉眼や器具・装置などを用いて鑑定や鑑別をします。
我々夫婦が所属していたGIA JAPANの教育機関ではこのグレーダーを養成していました。
またその鑑別機関の「AGTジェムラボラトリー」は日本のトップクラスの鑑別機関であり、熟練のグレーダーが日々、多くの石をグレーディングしています。
他にも日本中に鑑別機関があります。
鑑定書(Grading Report)
鑑定は古美術などでは真偽の判別や価値の有無など市場評価を表していると思いますが、宝石業界での「鑑定書」は、ダイアモンド・グレーディング・レポートとも呼ばれ、主に天然ダイアモンドの品質基準を記した報告書のことを指します。
個々の石を4C(カラー・クラリティー・カット・キャラット)という基準でランク分けしたものです。
通常、枠から外したルース(裸石)の状態で検査します。
グレーディングは肉眼検査を二人以上のグレーダーがチェックをしており、レポートにはそのサインが書かれています。
たまに「あ、これは○○さんだ」と見慣れたサインが分かることもあります。
ダイアモンドにだけ鑑定書という言葉が使われ、鑑別結果により各商店が価格を決める目安となります。
ソーティング(Sorting)
ソーティングとは「データを一定の規則に従って並べること」を意味します。
一般的にはサイズ、品質、色などの区分けをいいます。
鑑定機関の発行する簡易鑑定や簡易鑑別が記載されたもので、ビニールケースやソーティングペーパーなどに宝石名や重量等のみが記されていて、写真付きの冊子にはなっていませんが、業者などでは鑑定書と同等の扱いとなります。
鑑別書(Gem Identification)
全ての宝石を対象に、石固有の屈折率などを測定し、科学的根拠をもとにその宝石の種類、天然か否か、人為的な処理がされているかなどを一定の形式で表した報告書です。
ただし、ダイアモンドのように品質の評価はありません。また、枠にはめられた状態でも鑑別は可能となっています。
みなさんもお手持ちのジュエリーに鑑定書などがついていたら、じっくりと見てみると面白いですよ。
近いうちに、グレーディング・レポートに書かれている4Cやプロットと呼ばれる図の見方も書きたいと思いますのでお楽しみに。