宝石と鉱物 その2

こんにちは。
小六堂のMです。

前回の続きです。

「鉱物」と「宝石」の区別はどのようにされているのか紐解いてみましょう。

「宝石」と呼ばれるには幾つかの条件があります。

 

美しさ:好みはあれども、誰もが美しいと思えるようでなければいけません。

特に色石では、色の美しさに加えてキャッツアイやスターなどの特殊効果の素晴らしさなども条件としてあげられます。
石の透明度も、その宝石が持つ個性を引き出しているかどうかが重要になります。
一般的にダイアモンドは無色透明であるほど美しいとされ、トルコ石は透かしても見えない不透明石がよいとされています。

でも厄介者と思われてしまう内包物(インクルージョン)の様々な特徴もとても楽しいのです。
とてつもない時間をかけて産まれた石達の個性を見ることができます。
内包物によって産地などが分かったりもします。

 

希少性:宝石は欲しいと思えるほどの希少性はあれども、販売できる程度の供給量がなければいけません。

もし古くから道ばたにルビーが所狭しと転がっていたら「また赤い石がある」としか思えなかったかもしれませんものね。

日本でも翡翠が見つかる糸魚川が知られていますが、全部が宝石に用いられるとは限りません。
大きな原石が発見されても全ての原石が宝石品質ではないのです。

少ない産出量から宝石品質の石を得るのに、膨大な労働力や機械などが必要となり価格が高くなります。
ニュースで「宝石品質のダイアモンド原石発見!」と報道される事もありますが、私は「何カラットとれるかしらね?」とつまらない発想をしてしまいます。

 

耐久性:宝石はどれほど美しく希少であっても、壊れにくく、硬く、なおかつ劣化に対しても強くなければなりません。

これは原石のカット工程や研磨、石留めなどの物理的、化学的変化に対する抵抗を表しています。
また通常の使用に耐えなければジュエリーとして身に着けることができなくなります。

細かく分けていくと
硬度(HARDNESS 引っかき傷や摩耗)
靱性(TOUGHNESS 割れ、欠けに対する粘り強さ)
安定性(STABILITY 化学薬品などに対する耐久性)
が宝石によって異なります。

ダイアモンドは硬度では王様ですが、靱性では翡翠に劣ります。
加工でも職人さんが悩んでしまったりするのにはこの耐久性にやや難ありの石が持ち込まれたときでしょう。
デザイナーも石の特徴を知っているのと知らないのとでは大きな差がでます。

他にも、宝石には流行もあり、映画や世界中の皇室やセレブ達、著名なデザイナーによってめまぐるしく入れ替わります。

 

皆様も博物館などにお出かけしてみて、石がどのように分類されているのか見学されるのをおすすめします。
博物館では化学組成別に分類していることが多いですね。思いもかけない石が兄弟だったりと、新しい発見ができます。
原石やカットを施された石をじっくりと見る良い機会になりますよ。

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